- 場所 青森市
- 料金 無料
- 形態 野湯
- 訪湯 2017年11月3日 14:00
明治35年1月。
日本陸軍第8師団の歩兵第5連隊が、青森市街から八甲田山の雪中行軍の途中で遭難しました。
映画にもなった世に言う八甲田雪中行軍遭難事件です。
彼らが向かった目的地は田代新湯という温泉宿でした。
僕の今日の目的地は、
・・・
その田代新湯です。
はたして、無事たどり着けるのでしょうか。
陸奥湾です。
279号線に別れを告げ、七戸町から山中を東に・・・八甲田山方面に向かって走ります。
和田ダムです。
こんな急坂を3速時には2速でギュインギュイン登っていくと、やがて下りになったその時です。急に展望が開けたのです。
八甲田山です。
素晴らしい景色です。
左から高田大岳、小岳、八甲田大岳(最高峰1584m)、井戸岳など、俗にいう八甲田山は、単独峰ではなく複数火山の総称です。
麓の八甲田温泉を
通り過ぎてすぐのところでナビが、
左に曲がんな
というのですが
・・・
ホントでしょうか。
やがて林道となり、道端の枝がビニール製の屋根に、ソーラーに・・・バシバシ当たります。
こんな山中に入ってしまって、帰るときに切り返せるところはあるんでしょうか。
ところが、何と
別荘地がありました。
でも誰もいないようです。
目指す田代新湯はここから・・・山の中を歩いて入っていくことになります。
ヒグマが去ったと思ったら
・・・
ツキノワグマです。
ふふふ、なんのなんの、南野陽子です。ツキノワグマごときが。
ワタシを誰だと思ってるんですか。
ヒグマと闘って無事帰還したオトコですぜ。
(注)いつの間にか戦ったことになってますがお許しください。そのうち闘って勝ったことになってると思います。
でも念のため、南富良野の道の駅で出会った謎のテレビマンから
もらった熊スプレーと
・・・
スプレーだけじゃ不安なんで
・・・
傘
を持って
・・・
いやいや、これが武器になるらしいんですよ。
熊と出会ったら、このジャンプ傘をバシっと開くと急に相手が大きくなったと勘違いして逃げるらしいのですよ。
でも、ビニール製で透けてるんですぐバレるかもしれんな。
いざ、山中へ!
・・・
といっても、入口が全くわかりません。
おそらくここだろうと、
ススキをかき分けながら入っていくと
・・・
クマザサに阻まれて
撤退です。
うーむ。
ここは、どーだと
この先の道を左に入っていくと
廃屋があり、その先をどんどん進むと
道は消えてしまいました。
。
うーむ。入口がどうしてもわかりません。
方向的にはあってるはずなんですが。
最初にこの家の前の道をまっすぐ行ったのですが、
今度は右折し、
この家の前の小道を
入っていくことにします。
やがてクマザサに覆われたこんな道になります。
おお、もしかしたらこの道かもしれません。
歩くたびに枯れ葉を踏む
ザザっ
という音が響きます。
時折立ち止まり、熊の気配を確かめます。
もし、近くにいるなら熊の足音も
・・・
熊は4本足なので、
ザザザザっ
という音が聞こえるはずです。
シーン
・・・
何も聞こえません。かえって不気味です。
どんどん下っていくと、
右下に沢が見えます。おそらく田代新湯のある駒込川です。この道で間違いありません。
やがて足元はグジャグジャの湿地帯になり、ズブズブと足が埋まりうまく歩けなくなり、踏み跡もなくなり、ついにここで
完全に迷ってしまったのです。
ま、まずい
・・・
天はワタシを見放したぁぁぁ
と北大路欣也のごとく叫ぼうとしたその時です。
ありました。
しかも足元に。
前の写真の右下に材木みたいのが見えるでしょ。最初に気が付いたのですが、小橋かなんかが壊れた後か何かかな、と思ったんですよ。
これは、温泉でしょう。
手を入れようと近づくとズブズブと足が底なし沼のように埋まっていきます。
そして、
・・・
あったかいぞ。やはり温泉です。でも30℃くらいでしょうか。入るにはぬるめです。
こ、これに入れと言うんでしょうか。
底にはヘドロがたまりいろんなものが見えます。
しかーし、皆さまが待ってるはずです、ワタクシの入浴シーンを。
えーい
・・・
やっぱやめました。
アタシにゃできません、いくらなんでも。
でも、こんなところを歩兵第5連隊は目指したんですね。もちろんその頃には宿があったはずですが。
第5連隊210名のうち、199名が亡くなりました。
助かった中の1名は、本隊からはぐれた二人でこの田代新湯の少し上流にある田代元湯にたどり着き、温泉の湯を飲みしのぎ、内1名が救助されたそうです。
<追記>
田代元湯も行こうと思ったのですが、最後の沢を渡る橋が完全に崩壊して跡形もないということで断念しました。
<お知らせ>
この旅の詳しい様子は青の風に吹かれてをご覧ください。