法師温泉・長寿館




 

  • 場所 群馬県みなかみ町
  • 料金 1000円
  • 形態 旅館
  • 訪湯 2018年8月27日



 

苗場プリンスホテルからさらに山奥に向かうこと10分。

この辺まで来たら、

ナビ子2号が、

斜め右に右折してください

というのですが

・・・

道なんかねーぞ。

一旦通り越してUターンして来たら、歩道みたいな細い道があります。

あまりに鋭角過ぎて入れず、もう一度Uターンして

・・・

え、こんなとこホントに行くの

と言うくらい急で狭い道を入って行くと

・・・

歩道入口

って書いてあるじゃねーか。

車は入っちゃいけないんじゃねーの。

先日和歌山で、渋滞を避けるためにう回路を走っていたバスが道を間違えて立ち往生したニュースがありましたが、あの恐怖感は凄いもんだと思います。

でも、なんとか抜けられました。

しかし、いつかナビ子のせいで何か起きそうな気がするぞ。

 

そして、途中両側一車線の道を10分ほど走ると

ようやく見えてきました。

堂々たる姿です。

遠くからでも何か得体の知れぬオーラが出ているのがわかります。

これが、あの川端康成や与謝野鉄幹・晶子、若山牧水、そして僕の永遠のアイドル夏目雅子も訪れ、

映画「テルマエロマエ」のロケ地にもなった、秘湯、そして名湯として知られる

法師温泉長寿館

です。

この法師温泉の開湯は1200年前と推察され、発見したのは弘法大師(空海)とも言われており、宿の開業は明治8年です。

こちらは宿泊棟だと思うのですが

歴史を感じさせます。

 

こちらの建物から入っていきます。

レトロ感満載です。

国の有形文化財に指定されているそうです。

もちろん、日本秘湯を守る会の会員にもなっています。

日帰り入浴料1000円を払い、明治の香りのする廊下を渡っていくと

赤と青の暖簾です。

間違えないようにしっかりと確認し暖簾をくぐると

・・・

脱衣所です。

そして、左側のドアをガラガラと開けると

・・・

じゃん。

・・・

残念ですがここまでです。

これから先は撮影禁止です。

まあ、予想はしてましたが。

では、公式HPから。

これが、混浴内湯の法師の湯です。

写真では明るく写っていますが、実際はもっと薄暗い雰囲気です。

雰囲気的には青森の酸ケ湯をこじんまりさせたような感じと言っていいでしょうか。

非常に雰囲気があります。

おそらく明治から基本的なものは変えていないのではないかと思います。

四角い大きな浴槽二つを、タテヨコで田の字に区切ってあり、計8カ所の浴槽があります。

 

室内に入ると、既に7人の方が入っています。

7人のうち女性の方は何人かいるのでしょうか。

あまりジロジロと見て確かめるわけにもいきません。

しかし、女性用脱衣所から一番近い左端の浴槽に、ふくよかな胸が、視界の端にぼんやりと確認できました

・・・

さて、どの浴槽に入ったらいいのでしょうか。

8つの浴槽なので、みなさんそれぞれ一つの浴槽に一人づつ入っています。

そして、

オレんとこに来んじゃねーぞ光線

を発しています。

必然的に一つだけ空いている浴槽に入ることになります。

 

ちゃぽん。

ややぬるめの湯です。

でも、ゆっくり入るにはちょうどいい湯加減です。

底には丸い石が引き詰められていて、下から熱い温泉がじわじわと湧きだしています。

そして、浴槽の木枠はおそらく明治時代から替えていないのではないかと、思われるほど古いものです。

いい雰囲気です。

 

さて、ふくよかな胸の方は

・・・

なんと隣の浴槽です。

ごく自然な形でそちらの方を向いて確認すると

・・・

ふくよかな胸の豊満なカラダをお持ちの

・・・

おとーさんでした。

 

改めて7人を確認すると

・・・

すべて男性です。

しかも、若くもなく、かといって年寄りでもない・・・おそらく全員が50代の方ではないかと。

そして、誰もが言葉を発することなく、ただじっと浴槽に浸かっているのです。

静かです。

静かすぎます。

しかし、その静けさの中に何かを期待しているのか、

ピン

と張り詰めたような緊張感が感じられるのです。

異様な雰囲気です。

うーむ。

 

さしあたっての問題は、

頭を洗いたい!

のですが、この異様な雰囲気の中でなかなか踏ん切りがつきません。

確かに固形石鹸と木桶(←ケロヨンでなない)が置いてあるので(ただし椅子はない)カラダを洗うことは許されていると思うのですが、誰もそのような行為に及ばないのです。

お互いにけん制し合っているような雰囲気も感じられます。

(注)後で脱衣所で帰り支度の方に、ひそひそ声で「カラダ洗いたかったんですがよかったんですかね」と聞かれました。

 

そして、背後でガラガラという音がし、

ついに9人目が登場です。

もし、女性だったら

・・・

はたして8つの浴槽はもう既に埋まってしまっている状況の中、どの浴槽に入るのか。

一瞬のうちに判断できるのか

その決め手はなんなのか。

さらに、迎え撃つ側の男性軍は、

オレんとこに来い光線

を発するのか

・・・

などと考えながら振り向くと

・・・

50代の(←たぶん)男性でした。

ちなみにその方は窓際のおとーさんと知り合いらしく、その浴槽に入りました。

 

その後、一人二人の入れ替わりはありましたが、膠着状態はしばらく続き、

時が経つにつれて状況に変化は期待できないとわかると、

あの異様な緊張感のようなものが次第に和らいでいったのです。

・・・

そしてやがて、その空気は失望感に変わっていったのでした。

 

帰り際、廊下にポスターが貼ってありました。

上原謙が高峰三枝子の胸に手を伸ばそうとして・・・右ひじを置いている木枠を見ると

・・・

まさに今入った法師の湯の浴槽の木枠です。

そうなのです。

この有名なポスターはここで撮影されたのです。

 

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